初心者が陥る誤った株の買い方~アンカリング効果~
さて、あなたは株取引のデビュー戦です。
既に買いたいと思える有望銘柄も見つかっています。
「よし!早速いまの株価をチェックしてみよう!」
①今は株価が1,000円だな。あっ!証券口座に入金だった。今日は買えないな。。
②次の日。入金したぞー!今の株価は1,015円。しまったー!昨日買えば儲かったー!
③さらに次の日。今日はなぜか995円まで下落。安くなってるじゃん!よし買おう!
さて、何が間違いだかお気づきですか?
初心者にありがちな株の買い方です。これは行動経済学的でいうアンカリング効果に引っかかってしまっています
アンカリング効果とは、船が錨を降ろすと、錨と船を結ぶともづなの範囲しか動けないことからくる比喩で、最初に印象に残った数字や物が、その後の判断に影響を及ぼすことをいいます。
(経済は感情で動く)
そう、多くの人が最初に見た株価である1,000円を基準に考えてしまっているのです。
この1,000円という株価は、1日の内の数秒もしくは数分の間たまたまこの金額だったに過ぎません。
株が取引きできる日は大体年間240日の内の4.5時間。
分足ベースで考えればあなたは1/64,800(年)を、たまたま見た瞬間で判断していることになります。
それではわかりやすいアンカリング効果の質問を続けます。
今回、ドットコムという会社が1株2,000円で上場する。
市場で張りあいそうなライバル会社が、同じ株価でちょうど1年前に上場していた。現在その会社の株価は1万円になっている。
「ドットコムの株価は1年後にいくらになってるか」答えてください。
(経済は感情で動く)
ライバル会社の株価はこの質問の答えを左右するものではないのに、その株価がアンカーの役目を果たすようです。
ちなみに設問のライバル会社の株価が1,000円であれば、異なる判断が下されるわけで、これがアンカリング効果です。
そう、人は合理的に判断をくだしているようで、実は突き詰めていくと非合理な判断が多いです。決して否定しているわけではありません。最初のケースももしかしたら、その後株価が上がるかもしれません。
ただ知ってほしいのは、安易に非合理的な判断で飛びつくのは危険だということです